2014年10月3日金曜日

コミュニケーターにきちんと注意できないんです!

 「昔は厳しく指導できる、“怖い上司”が一人くらいいて、その人がいるおかげで緊張感が適度に保たれていたのですが、最近はSVの方がコミュニケーターさんに気を遣いすぎて、言うべきことも言えずにストレスを抱えている感じです。」これは特定のコールセンターだけの傾向ではなく、以下のような状況変化やリーダーの心理が影響していると推察される。
  1. 上から下への指示命令型ではなく、“考えさせる”“主体性を引き出す”という育成の必要性が高まっている。
  2. パワハラ・セクハラ防止教育等により、メンタルへの配慮や対応を迫られている。
  3. .  (人口減少により、採用が厳しく)辞められたら困る
  4. 自分より先輩、年上…などの遠慮があって言いにくい 。
  5. 厳しいことを言って嫌われると、その後がやりにくいという想いがある。
これらのことから、注意しなければならない場合でも「言い方」をあれこれ考えているうちに時間がたってタイミングを逃したり、遠回しに言い過ぎて真意が伝わらず改善しないことがある。ただ、「再度注意するとなると”しつこい、くどい“と思われるかもしれない」と考えると、さらにストレスになってしまう。




では、どうしたらよいのだろうか?そういう場合のリーダーとしての基本的考え方と行動について考えたい。

●許すことと許さないことを明確にして、公平に貫いていますか?

やるべきことをやっていないコミュニケーターを実際に注意したら、落ち込んだり感情的になったりして、逆に攻撃されてしまったというケースもある。しかし、そういうリスクがあっても、あえて注意する究極の目的は何だろうか?リーダーは、「もしこの状態を放置したら何が起こりうるか」を冷静に考えてみる必要がある。
  1. おそらくコミュニケーターは、「この程度でいいんだ。これで許されるんだ。」と悪気なく思う。そしてそれが基準になる。つまり、注意しないこと自体が一つの大きなメッセージであり、教育となる。その結果、いずれ基準は低下する。つまり、リーダー自ら基準を崩していることになる。
  2. 同じことをやっているのに言いやすい人には注意するものの、苦手な人には注意しない。それは「このセンターではえこ贔屓や不公平が当たり前なんだ」というメッセージとなる。
ただし、それは往々にして表だった不満として出てこない。だから、余計に怖い。視線はPCに向けながらも、コミュニケーターの”心の目”はリーダーの言動に向いていることが多いことを忘れてはならない。


●注意する際の留意点

ただし、基準をしっかり保って、公平感・安心感が持てるセンターをつくるという目的に向けて効果・効率を高めるには、伝え方を留意することも必要である。以下は参考まで。
  1. 最初は柔らかく指摘する。それでも改善しなければ、徐々に厳しく伝えるようにする。
  2. 必ず事実をもとに指摘する。(「このルールは知っていますよね?」「ただ実際には~をしませんでしたね?」)
  3. 自分の思いを端的に伝える。(「残念です。」「本当にそれで良いと思っていますか?」「期待しているのに。」「もっとできるはずです…」)
  4. 相手の言い分を聞く。ただし同調しすぎない。(「なるほど、~ということですね。」)
  5. 今後どうするかについて本人から言ってもらい、必ず記録をしておく。
  6. 一定期間後に改善できたかどうか検証することを約束する。
  7. 明るく締めくくる。(では、これをチャンスとして、今からまた頑張りましょう!)

クレーム対応同様、これもリーダーとしての重要なスキルであり、実際の体験を通じて上達していくものである。そういう意味では、問題ケースは自分のスキルアップにつながるチャンスであると受け止める”しなやかさ”も、これからのリーダーには大切だと考える今日この頃である。


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サービスデザイン研究所
Service Design Institute
代表取締役/サービスデザイナー 袋井 泰江(Fukuroi Yasuko)


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