2014年7月15日火曜日

”やりがいのある仕事”にするのは誰?ハードルがあるからこそありがたい!

「 どんな時に仕事のやりがいを感じるか?」と聞かれれば、人それぞれ様々な答えがあると思う。課題を達成できた時、誰かに喜んでもらえた時、褒められた時…など。すなわち”何かを達成した”という結果が感じられる瞬間が多いと推察される。一方、プロセスで見ると、どちらかと言えば「楽々やれた」という状況よりは、多少困難かなと思ったことを乗り越えた時、思いがけず色々な問題が発生して苦労が多かったけれど最後までやり遂げられた時など、むしろ主体的にハードルを乗り越えるプロセスがあった方がやりがいも大きいのではないか。それは「壁を乗り越えようとする時に、自分の中で普段は眠っている知恵やノウハウが浮上し、それを駆使することで新しい自分を発見できたという成長を実感できる」からではないかと思う。

もしコールセンターでの仕事が、「誰がやってもそつなくこなせる」という楽な仕事で、機械的にやってもお客様から毎回「ありがとう」と返ってくる仕事だったら、本当に自分の中でやりがいになるのだろうか?古い話になるが、まだ今ほど情報が当たり前に入手できなかった時代、どうしてもその情報を得るにはある特定のコールセンターに電話せざるを得なかった。応対する側は「聞いてくる人に教えてあげる」というスタンスに陥っていくため、応対の口調がぞんざいな人もいた。しかし、電話をかける方は、「やっと知ることができた」という思いがあるため、最後には「ありがとう、助かりました」という言葉が口をついて出ることも多かった。ゆえに、「教えてあげているのだから、ありがとうと言われて当たり前の仕事だ」と多くのコミュニケーターが思っていた。では、その時にコミュニケーターが仕事にやりがいを感じていたか?と聞かれれば、それは疑問である。休憩室で聞く話は、「似たようなことばかり質問されて面倒になる」「はっきり用件を言わないお客でいらいらしてしまう、さっさと言ってよと思う」「今日は本当は休みたかったけど、出てこざるを得なくて嫌になる」などの愚痴もかなりあった。全体にダレた職場で、当時「何がやりがいですか?」と聞くと、「休憩室で同僚とおしゃべりすること」「休みに好きなことをすること」という答えが大半だったのを覚えている。今はそういった状況でやっているコールセンターは皆無に近いが、その経験から、本当の意味で「ありがとう」という言葉が仕事のやりがいにつながるのは、”有るのが難しい”状況を自分が主体的に関与して生み出せたときではないかと思うのである。

例えば、苦情対応で大変な思いをしながらも、丁寧な対応でお客様の感情を沈め、最終的に「よくわかった。誤解していた面もあり、申し訳なかった。対応してもらって良かった。ありがとう。」という一言は逆にありがたい。また、わからないことを聞かれ、苦労しながらも必死に対応できた時、難しいと感じていた資格を頑張って取得できた時、厳しい上司に最終的に「よく頑張った」と言ってもらえた時…よく考えてみると、ハードルがそこにあるからこそ、やりがいを実感できるのが仕事である。ということは、よりやりがいを実感できるようにしていくには、仕事上でぶつかる問題から逃げずに、「これを超えたところに新しい自分がある」と考えて取り組むこと、そして頑張った自分を「よくやった」と褒められるようにしていくことも、日々の中で大切なことではないだろうか。

*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
サービスデザイン研究所
Service Design Institute
代表取締役/サービスデザイナー 袋井 泰江(Fukuroi Yasuko)


▼コールセンター研修プログラムのご紹介

問題解決に強いマネージャー・SVを養成します!詳しくは下記をクリックしてご覧下さい。
http://sdi.ecnet.jp/topics/708


▼このブログの小冊子を差し上げています!

このブログを小冊子化しました。限定10名様にプレゼントしています。ホームページ:http://sdi.ecnet.jp/内の【お問い合わせ】より”コールセンターブログ冊子希望”とご記入の上お申し込み下さい!


Facebookページ:http://p.tl/7ZpR

▼サービスデザイン研究所 Official blog:http://blogs.yahoo.co.jp/sdi20041101

▼袋井のブログ
『サービスデザイナーが行く!~未見の価値共創への挑戦~』:http://servicedesigner-fukuroi.blogspot.jp/
【ブランドに命を吹き込む!~店長力向上講座~】:http://sdi20041101-luxurybrand-fukuroi.blogspot.jp/



【グローバルサービスデザインで新たな時代を切り拓く!】
独自のサービスデザインスキルにより、サービス革新に挑戦する組織の顧客価値創造支援を行います。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント :

コメントを投稿