2014年7月2日水曜日

100-1=0 or 100+1=Value?

計算式では100-1=99であり、「まだ99残っている」という事実がある。しかし、企業が提供しているサービスは、ある種「100-1=0」で ある。つまり、一人のスタッフ・コミュニケーターのちょっとした言動がお客様に与えたマイナスの印象によって、その会社に対して「他の従業員も皆そうである」、ひいては「そういう従業員を雇っている会社の体制や考え方はどうなっているのか」という疑念を生み出すことを意味している。一人の従業員の情報漏洩 や何気ないtwitterでのつぶやき、ちょっとした電話での発言…これら全てが明日の企業の信頼を左右しかねない。特にインターネットの普及により、一つの情報があっという間に世界を駆け巡る時代である。まさに【会社の代表者】という重みが増している。

当然企業側も、リスクマネジメント上、コンプライアンスの重要性について教育したり、内部セキュリティを徹底的に強化したり、以前に比べるとどんどん規制やチェック を厳しくせざるをえない状況である。中でも日本は”減点主義””完璧主義”文化が根底にあるだけに、万が一の事故も発生しないよう、過敏なほど神経やエネルギーを使い、後ろ指をさされないようにする傾向が強い。その努力には頭が下がる思いである。しかし、減点主義が強く根底にあると、「~すると罰せられるから」「~すると迷惑をかけるから」という消極的な考えが、知らず知らず刷り込まれる恐れがある。「~することでより高い信頼を勝ち得ていくため」「最高のサービス体験をお客様に提供するため」「一人一人が責任感を持って仕事に向き合うことで、より良い連携が生まれる。だから、まずは基本から徹底していこう。」というようなポジティブで前向きな意識が醸成されにくくなる。これはもったいないことである。

「100-1=0」 があるように、「100+1=Value」という考え方も可能である。すなわち、一人一人が最善を尽くしてしっかりした仕事をすることで、お客様の期待値 にやっと応えられる(=100)。しかし、そこで満足せずに、あとひとつ何かを生み出すことが、他社との差別化や”さすが!”という信頼につながる。しかし、その1は決して楽ではない。常に一人一人が「+1」を意識した仕事をし、且つそれがお客様のニーズとしっかり合致してこそ、お客様から見て「+1」に なる。

そもそも人が介在するサービスは、完璧を目指すこと、失敗を怖れることからは創造されない。基本を徹底した上で、何ができるかを考えるという強さとしなやか さが必要となる。そのために目標があり、役割分担・ルールがあり、コミュニケーションが求められる。そういうお客様からは直接見えない土台を大切にしているからこそ【+1】を生み出しやすい風土ができあがる。コールセンターのシステム・ルールは大切だが、それを導入する大目的を忘れてはならないのではないだろうか。



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サービスデザイン研究所
代表取締役:袋井 泰江(ふくろい やすこ)


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