2014年7月30日水曜日

コールセンター改革事例2 ~コールセンターの応対力向上を目指せ!

● CSアンケート結果を見ても危機感なし?!:自分の見方が全てではない!

「応対力向上」というテーマで私がうかがった技術サポートコールセンター。ヒアリングを行ううちに、同じセンター内にいても、それぞれで物の見方や考え方がかなり乖離していることがわかってきた。例えば、同じコールをモニタリングをしても、「これではお客様があきれてしまっている」という認識を持つ人から、「スムーズに対応できるんじゃないですか?」という認識を持つ人まで様々である。また、CSアンケートの点数を見ても、「これではサポート料金をいただいているお客様に申し訳ない」という人もいれば、「それなりに満足しているという数字じゃないですか」という人もいる。特にマネージャーやリーダークラスにおいて、どちらかといえば後者の認識が多数を占める状況であった。そのことが、担当者の認識や風土にかなり影響を与えているように感じた。

そこで、キーマンとなるマネージャーに「特に何を重視されていますか?」と聞くと、「このコールセンターのミッションは、できる限り素早くお客様のシステムに関する問題を解決すること。そのためには専門知識を武器に、とにかく早く必要な情報を聞き出して、問題を特定し、解決策を提案できればいい。それがお客様が何より望んでいること。お客様も個々様々なので、かしこまった応対云々にエネルギーを注ぐよりも、その時間があれば、知識を蓄え、電話を一本でも多くとって解決してほしい」というのが根底にあった。


もちろん、それは重要なミッションである。しかしそれはあくまで企業側から見た「お客様満足」の定義ではないだろうか?

もし、あなたが企業のシステム担当者で、そのシステムに何らかの不具合があってユーザーから抗議が来る。慌てて技術サポートコールセンターに電話をしたとする。もちろんテキパキした応対は安心感を与える。しかし、いかにも慣れたように「では、まず契約番号をお願いします。次に~してください。~はおわかりですか?え、それがわからないと厳しいですね…」と相手ペースで言われたらどう思うだろうか?基本的にシステムはスムーズに作動して当たり前で、障害が起こることは本来あってはならないという思いを持っている側からすると、「こんな状況に置かれているのに、いかにも事務的にさばかれているような応対だな。ちょっとはどんな影響が出ているのかとか興味を持たないのかな?確かに早く直してほしいという意味で“人質”を取られているが、もう少し共感性があってもいいんじゃないの?」という感情になるのではないだろうか。しかし、専門知識がコールセンター担当者ほど無ければ、それ以上は強く言うこともできず、「下手にこじれて対応が遅れるのも困るから、黙って従っておこう」という気持ちになっていることもモニタリングから推察される。そういったお客様の暗黙の心理の動きが見えないだけに、担当者にもマネージャーにも問題意識がなかなか伝わらない状況だった。

“お客様視点”、“相手の立場に立て”とは言っても、慣れてしまうと【立っているつもり】で終わっていくことはよくある。まずはそれを乗り越えて、本当の意味で原点に戻らなければならない。

そこで、まずはマネージャー、リーダー層と【コールセンターのあるべき姿】について、本音で議論し合うことにした。マネージャーにもこれまでコールセンターを率いてきたプライドはある。それを傷つけて単なる対立を生んでも仕方がない。しかし中途半端に妥協しても意味がない。本当にお互いが納得できるコールセンターミッションやビジョンを創造するには、それなりの準備と覚悟が必要だった。(続く)

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サービスデザイン研究所
Service Design Institute
代表取締役/サービスデザイナー 袋井 泰江(Fukuroi Yasuko)


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