2014年10月21日火曜日

どうせ私は大勢いるコミュニケーターの中の一人にすぎない?!~ポジティブな発想に切り替えるコーチングとは~



コールセンター研修等を通じてコミュニケーターさんと話している際、よく耳にする言葉の一つに「どうせ…」というキーワードがある。
  • どうせパートですから… 
  • どうせ短時間ですから 
  • どうせ大勢いる中の一人にすぎませんから 
  • どうせ歳ですから

この便利な「どうせ」という言葉、どういう意味をもっているのだろうか。大辞林に興味深い解説があった。
  1. ある状態や結果を、初めから定まったものとして認める気持ちを表す。いずれにしても。しょせん。「-負けるにきまってる」「-ろくな物は作れないだろう」 →〔多く投げやりなあきらめや、軽蔑の気持ちを込めて使う〕
  2. ある事態を受け入れるしかないのなら、むしろその機会を積極的に利用しようとするさま。いっそ。「-作るならいいものを作ろう」 「-なら三人分作ろう」 「-のことだから、頂上まで行ってみよう」
すなわち、「どうせ~ですから」と認識していることよりも、むしろ重要なのはその言葉の後に続く「…」の中身である。つまり、「どうせパートで短時間勤務ですから、(いっそ)集中力を持ってこの4時間を思いっきり燃焼しよう!」と考えることもできるということである。また、「どうせ大勢いる中の一人に過ぎないのだから、(いっそ)失敗をあれこれ怖れすぎず、いろいろチャレンジしてみよう!(もし、少数精鋭であれば、おそらく注目度が高く、失敗も許されないだろうから)」と考えてみるのも一つであるということを意味する。


私自身、そういう考え方を、昔自分が仕事で腐っていた時に先輩から教わった。当時、当たり前のように職場でネガティブ発言をまき散らしていると、先輩はボールを拾うように、私の言葉をオモシロそうに拾っていくのである。例えば、「どうせあの人のようにはうまくできない…」とつぶやくと、「だから?」とすかさず合いの手を入れてくる。とっさのことで言葉に詰まっていると、「どうせうまくできないなら、人の目を気にせず好きにやって失敗すればいい。」とつなげていくのである。その一言で、すっと気持ちが楽になり、「人と比べるのではなく、自分らしくやってみようか!」という気分になったことを覚えている。

 コミュニケーターさんはPCに向かって仕事をしながら、心の中ではその都度様々な言葉を発している。中には知らず知らずネガティブなつぶやきが多くなり、自分自身で出口が見つからなくなる人もいる。そんな時にSVとの対話があったりする。するとつい、「でも…だってどうせ」という言葉が口をついて出てしまうこともある。それに対して、「そんなことはない、前向きに考えましょう!」と(コミュニケーターさんにとっては反論・説得されたり、「このコミュニケーターさんはいつもこんなネガティブ発言ばかりで困るな」という顔をされてしまうと、ますます自分の殻にこもってしまうことになりかねない。むしろあまり気構えず、ネガティブな発言に対しても、明るく「だから?」「だから何?」と興味を持ってその後の言葉を引き出したり、「だから~と言えない?どうかな?」と異なる視点で発想してみるように促してみるのも、大切なコーチングではないだろうか。 

ただし、そのためにはSVとして自分自身が前向きに発想する癖をつけていなければならない。人によってはそれが難しいと感じるかもしれない。しかし、考え方の癖はトレーニングである。リーダーとは個別スキルだけでなく、そういう人間的側面の成長を期待されている存在であるといえる。

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2014年10月3日金曜日

コミュニケーターにきちんと注意できないんです!

 「昔は厳しく指導できる、“怖い上司”が一人くらいいて、その人がいるおかげで緊張感が適度に保たれていたのですが、最近はSVの方がコミュニケーターさんに気を遣いすぎて、言うべきことも言えずにストレスを抱えている感じです。」これは特定のコールセンターだけの傾向ではなく、以下のような状況変化やリーダーの心理が影響していると推察される。
  1. 上から下への指示命令型ではなく、“考えさせる”“主体性を引き出す”という育成の必要性が高まっている。
  2. パワハラ・セクハラ防止教育等により、メンタルへの配慮や対応を迫られている。
  3. .  (人口減少により、採用が厳しく)辞められたら困る
  4. 自分より先輩、年上…などの遠慮があって言いにくい 。
  5. 厳しいことを言って嫌われると、その後がやりにくいという想いがある。
これらのことから、注意しなければならない場合でも「言い方」をあれこれ考えているうちに時間がたってタイミングを逃したり、遠回しに言い過ぎて真意が伝わらず改善しないことがある。ただ、「再度注意するとなると”しつこい、くどい“と思われるかもしれない」と考えると、さらにストレスになってしまう。




では、どうしたらよいのだろうか?そういう場合のリーダーとしての基本的考え方と行動について考えたい。

●許すことと許さないことを明確にして、公平に貫いていますか?

やるべきことをやっていないコミュニケーターを実際に注意したら、落ち込んだり感情的になったりして、逆に攻撃されてしまったというケースもある。しかし、そういうリスクがあっても、あえて注意する究極の目的は何だろうか?リーダーは、「もしこの状態を放置したら何が起こりうるか」を冷静に考えてみる必要がある。
  1. おそらくコミュニケーターは、「この程度でいいんだ。これで許されるんだ。」と悪気なく思う。そしてそれが基準になる。つまり、注意しないこと自体が一つの大きなメッセージであり、教育となる。その結果、いずれ基準は低下する。つまり、リーダー自ら基準を崩していることになる。
  2. 同じことをやっているのに言いやすい人には注意するものの、苦手な人には注意しない。それは「このセンターではえこ贔屓や不公平が当たり前なんだ」というメッセージとなる。
ただし、それは往々にして表だった不満として出てこない。だから、余計に怖い。視線はPCに向けながらも、コミュニケーターの”心の目”はリーダーの言動に向いていることが多いことを忘れてはならない。


●注意する際の留意点

ただし、基準をしっかり保って、公平感・安心感が持てるセンターをつくるという目的に向けて効果・効率を高めるには、伝え方を留意することも必要である。以下は参考まで。
  1. 最初は柔らかく指摘する。それでも改善しなければ、徐々に厳しく伝えるようにする。
  2. 必ず事実をもとに指摘する。(「このルールは知っていますよね?」「ただ実際には~をしませんでしたね?」)
  3. 自分の思いを端的に伝える。(「残念です。」「本当にそれで良いと思っていますか?」「期待しているのに。」「もっとできるはずです…」)
  4. 相手の言い分を聞く。ただし同調しすぎない。(「なるほど、~ということですね。」)
  5. 今後どうするかについて本人から言ってもらい、必ず記録をしておく。
  6. 一定期間後に改善できたかどうか検証することを約束する。
  7. 明るく締めくくる。(では、これをチャンスとして、今からまた頑張りましょう!)

クレーム対応同様、これもリーダーとしての重要なスキルであり、実際の体験を通じて上達していくものである。そういう意味では、問題ケースは自分のスキルアップにつながるチャンスであると受け止める”しなやかさ”も、これからのリーダーには大切だと考える今日この頃である。


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